―― 君は気づいてくれた あたしが強い振りしてるということを 涙をこらえてることを ―― 君は側にいてくれた 優しい言葉と一緒に 1人にならないように +--- S o l i t u d e ---+ ―…夜空を見るのは好きだった 寂しくて泣きそうで辛いときも 夜空を見上げるといつも星が輝いていて あたしを励ましてくれてる気がするから… この世界に来てからも あたしは外に出て夜空を見ていた 夜空にはあたしのいた世界と同じで 星が輝いているから… 真夜中の12時 あたしは屋根の上で夜空を見ていた。 ―…今日。あたし達はアグラ爺さんとの再会を果たすことが出来た。 アメルは泣いて喜び、アグラ爺さんに抱きついて… ロッカもリューグも…リューグは顔には出さないけど 表情がいつもと違っていた。 周りの人達もアグラ爺さんの無事と、アメル達との再会の様子に 安堵と喜びを感じていた。 あたしももちろんその様子を笑顔で見守ってた。 でも…どこかでその様子を冷めた眼で… みんなと自分の間に見えない壁があるかのように 遠い景色を見てる風な自分がいた…。 自分のこの感情に辛かった… 心が痛かった… だからあたしはまた夜空を見る。 何も思うことなく… ただ見つめて… 「」 声と共にふわっと毛布を掛けられ、後ろを見ると そこにはマグナが立っていた。 「体こんなに冷えて…風邪引くよ?」 そういってマグナは隣に座る。 「マグナ…どうしてここに…?」 「ん?…今日元気なかっただろ? 心配になって部屋訪ねたらいないし、探してみたら窓からの姿見えて その格好じゃ寒そうだから毛布持ってここに来たんだよ」 そう言ってあたしに掛けられた毛布を指差す。 「ありがとう…」 ――…しばらくは2人共黙っていた。 沈黙を破ったのはマグナ。 「俺さ、自分でも役に立たないって思うときあるんだ。 でも、そんな俺でも…守りたい…誰かの力になりたい… いつもそう思ってるんだ。 だから………俺じゃ力になれない? 何に苦しんでるのか分からないけど… 相談乗ることも出来ない?」 そう言ったマグナの方を見ると いつもとは違った真剣な顔であたしを見ていた。 それは…本当にあたしを心配してくれている顔だった…。 そんなマグナの様子に 今日の自分が馬鹿みたいに思えて思わず笑っていた。 そんなあたしにマグナは「なんで笑うんだよ…」っと ちょっとむくれていた。 「…違うよ、マグナ。 今のマグナの言葉に笑ったんじゃないの… 今日の自分自身が馬鹿みたいで笑っちゃったの…」 あたしは笑うことを止めて、夜空を見上げた。 「馬鹿みたいって…?」 夜空から眼を離し、今度はマグナの方を見る。 「―――あたしさ、前に話したよね? あたしが生まれてすぐに両親死んじゃって 思いでも…暖かさも…何も残ってないって…。 親戚にも見捨てられて…孤児院でも居場所なくて… だから…今日のアメル達みてて羨ましくって嫉妬しちゃったの…。 血が繋がってなくても…家族の暖かさを知ってる彼らを… 1人のあたしには得られなかったものを持ってる彼らを…」 瞳を閉じ、顔だけを夜空に向けた。 「そ〜んな自分が嫌で、ここで夜空を見てたんだ。 辛いときとか…悲しいときとか… 何かの局面にぶつかったときにいつも夜空を見るんだ…。 星がね、なんだかあたしを励ましてくれてるみたいなの」 瞳を開け、夜空を見ると… いつものように、変わらずに星が瞬いていた。 マグナもあたしと一緒に夜空を見つめていた。 「でも、今日は星達のお陰じゃなくて… マグナのお陰で立ち直れたんだよ?」 その言葉にマグナはあたしを見る。 「俺の…お陰?」 あたしもマグナの方を見て 「あたしは1人じゃないんだって… あたしを心配してくれる人もいるんだって…。 そう思ったら嫉妬してたのが馬鹿みたいって思ってね」 そう言い「えへへ」と笑う。 「…心配なんて…かなり前からしてたよ。 は強がってたけど…たまに、本当に一瞬だけど とても辛そうな顔してるんだ…。寂しそうな顔してるんだ…。 だからさ、。…1人だなんて思わないでよ。 の側には俺だけじゃない、みんないるよ? 辛いとき…一緒にいてあげるよ? ―――だから……泣かないで……」 あたしの眼からは、自分でも気づかないうちに涙が零れていた。 マグナはその涙を指で拭ってくれて… あたしをそっと抱きしめてくれた。 「もう強がらないで良いんだよ…」 その言葉にまた涙が零れた…。 強く生きなきゃって思って 誰かの前で泣いたことなんてなかった… でも、君の前なら涙流しても良いよね? ありにゃさんからいただいた配布ドリームです。 優しいマグナをごちそうさま(何) 強がってて、でもマグナの前で泣いちゃう主人公もいいです。 ありにゃさん、持ち帰りetc.の許可ありがとうございました! |